合法ドラッグの利用者

近年、合法ドラッグとして利用者が増加傾向にある「DOVES」と呼ばれている錠剤の内容物から、麻薬の成分が検出されていたことがわかった。 今年に入っても、成田空港を経由して海外から個人輸入されていることが確認され、空港税関や成田警察も同空港で押収された輸入品について詳しい調査をしている。 DOVESは、ネット通販やオークションなどで3000〜5000円程度で販売されているが、厚生労働省麻薬取り締まり局は幻覚や興奮作用を引き起こす危険性のある成分が 含まれていることを確認し、 薬事法で研究目的以外での輸入が禁じられている合法ドラッグに該当するとみていた。警察や税関関係者の話によると、夏から同じ発送元や似たような包装などの 国際郵便が連日のように入ってきたという。 さらに中には、欧州から国際郵便で発送され、同空港で確認されたDOVESからはメチロンが検出されたため、同空港税関当局は大阪府警に通報し受取人になっていた 市内在住の雑貨店店長の自宅を麻薬取締法違反容疑で家宅捜索した。その際、乾燥大麻草が見つかったため、大麻取締法違反容疑で同店長を現行犯逮捕した。 今後はDOVESを輸入した目的などについて捜査するとともに、税関当局と連携して麻薬成分の含有が確認されたDOVESの輸入元について全国の警察に通報し周知徹底する方針だ。 厚生労働省麻薬取締りの捜査員は「指定薬物の依存性や有害性が、ただ単に立証されていないというだけで、麻薬と同じ危険性がある」と注意を呼びかける。

麻薬に指定された合法ドラッグ

久しぶりに合法ドラッグのニュースを耳にしたような気分です。近頃の話題から離れていた間に、少し合法ドラッグに関わる環境に変化が現れているようです。 昔から名前だけは聞いていたDOVESから麻薬や指定薬物の成分が検出されたのは、やはりという感想しかありません。 麻薬に指定されているメチロンや、それを化学的な構造を少しだけ変えた指定薬物のMBDBは、どれもMDMAによく似た化学構造と効果を持つ薬品と言われています。 ひとつの薬物を基にして、ごく僅か化学的に変化させると、ほとんど無制限に新しい薬物を生み出すことが可能になります。 古くから脱法ドラッグの研究を進めてきた北田保則先生の「違法ドラッグの成分鑑定と流通」という研究レポートが、 厚生労働省のサイトの中にありますので、興味のある方は読んでみてください。特にMDMAグループに関する詳細な分類について、知ることができます。

以前から度々言われておりますが、次々に新しく現れる合法ドラッグに、法律での規制が追いつくことができないのが現状です。 また法で規制されているから危険、規制されていないから安全、という間違った解釈が実はもっとも危険なのです。たとえ合法とうたっていても、また実際に規制されていなくても 決して安全なわけではなく、 ただ単にその危険性が確認されていないに過ぎません。ほとんどの場合は危険性が確認され麻薬に指定されて、きびしい取り締まりの対象なる可能性があります。さらにDOVES(ダブス) に関しては指定薬物のみならず、麻薬をも含んでいたということです。未確認のものや怪しい物に対する警戒心を忘れない必要があります。 たまにネットでの合法ドラッグの販売サイトを確認しておりますが、厚生労働省による指定薬物の制度が実施されて以来、 販売サイトは減少傾向にありました。しかし最近では、新しいアドレスによるサイトが復活し始めています。 また合法ドラッグ販売サイトが削除されると同時に、大麻の種の販売サイトがちらほらと目に付くようになりました。 さらに大麻の種への規制や監視が厳しくなってくると、また合法ドラッグ販売サイトが復活している、といったイタチゴッコが続いています。 規制対象に似た脱法ドラッグが蔓延しているのは、なにも日本だけではなく、逆に日本で販売実績のある合法ドラッグの多くは、米国欧州から持ちこまれたもので、 世界中で、ほぼ同じものが売られています。さらに法による規制が追いついていない事情も、似たようなものです。

昨年から今年にかけて、欧米においてこの種の合法ドラッグに対する規制が強化されて、続々と規制対策が施行され始めています。いま欧州で最も注目されているのが、 「スパイスシリーズ」への対策。ここで懸念されているのは、「スパイス」といった名前で、インターネットなどで販売されているタバコに混ぜて使用する脱法ドラッグで、 ハーブという名目の商品に、合成カンナビノイドが添加されていると指摘されているものです。 英国メディアは「マリファナと同様な効果を持つ強力な脱法ハーブのスパイス・ゴールドの規制を検討」という記事を掲載しています。報道によれば、 この種の合法ドラッグは約3グラム入りの密封袋に入って売られており、「合法ハーブ」として販売され、大麻に似た効果が確認されていますが、 日本でも同じ名前の脱法ドラッグとして販売されています。 上記の記事は英国の薬物情報部門の責任者の言葉として、スパイスと呼ばれる合法ドラッグは世間一般に言われているような無害なものではなく、大麻の精神活性成分の作用をまねた合成物質が添加されているとしています。 さらに記事によると、ハーブを隠れ蓑にして実は合成された科学物質の添加が確認されたと指摘されているのは、概ね次のようなことです。 これまでの研究分析で、数種類の合成カンナビノイドが確認されており、スパイスシリーズ製品の多種多様な商品には、さらに多くの合成物質の添加が確認されマリファナに似た作用をもたらしている 恐れがありますが、すべてのスパイスシリーズ製品にこのような合成物質が添加されているかどうかは確認されていません。 マリファナ草の効果に限りなく近づいている、いわゆるスパイスシリーズ製品ですが、その効果の根本が合成生成されたカンナビノイドによるもので、 大麻のTHCよりはるかに強力なものであることが大きな問題とされています。 植物由来のドラッグは自然でおだやかな味わいである、などと考えるのはおおきな誤解です。植物だから安全、「合法」だから安心、こういう考えや風潮が 蔓延することに強く警告が発せられるべきです。。 「合法」とうたっている製品の多くは、安全が保証されているわけではないことを再度確認する必要があります。

合法ドラッグ乱用者の真実

日本全国に広く蔓延し新たな社会問題になった合法ドラッグですが、どのような人物が購入しどの様に使用したか、実態が十分に把握されているとはいえません。 警察庁による合法ドラッグ使用者を知るための資料は、一般国民が閲覧できる状態にあります。  その資料を元に合法ドラッグを使った人たちの像を追跡し、ドラッグ乱用者に関する分析をレポートしてみました。 定義として合法ドラッグ乱用者とは、「合法ドラッグに係る検挙者のうち、合法ドラッグを販売するなどにより検挙された供給者側を除いた検挙をいう。」とします。 旧薬事法の改定により、指定薬物の単純所持等に対する罰則が追加されたことにより、合法ドラッグ使用者の検挙が増えたことから、データ収集が可能になりました。

このレポートは、2014年1月〜2015年6月末までに検挙された、のべ2500人を対象とした分析で、 対象者数も多く刑事手続上で収集されたデータであるので信頼性が高く、検挙者の多くが、 繁華街での職務質問などによって検挙されているため、ドラッグ使用者層とへだたりのない資料と思われます。